年金支給開始年齢が引き上げになると変わることは?
まだまだ「高齢者」になれない私達
2017年1月。ご存知の方も多いと思いますが、
日本老年学会と日本老年医学会の提言で、
高齢者の定義が75歳に引き上げられる可能性が出始めました。
定義は好きに決めて頂いていいのですが(良くない?)
75歳から高齢者ということを理由に、
年金の支給開始年齢が70歳や75歳に引き上げられる可能性が
高くなってきたということです。
繰り上げ受給と繰り下げ受給
現在は原則として65歳から基礎年金の支給が始まりますが、
実際には、60歳から70歳の間で支給開始年齢を決めることが出来ます。
65歳より早く受け取ることを「繰り上げ支給」と言って、年金が減額されます。
下の表で、例えば60歳0ヶ月から繰り上げ支給を始めると、
65歳受給開始よりも年金が30%減額されるということです。
日本年金機構HPより引用
逆に65歳より後に受給開始をすることを「繰り下げ受給」と言います。
65歳からの開始よりも、年金が増額される仕組みとなっています。
70歳まで受給しない場合は、42%増えるのですね。
日本年金機構HPより引用
現在の70歳までの繰り下げ受給年齢を75歳までに延長する案が
提言されているようです。
仮に65歳で受給金額月額22万円の家庭が、75歳まで繰り下げ受給をすると
年額で約266万円受給が、約489万円に増えることになります。
しかし500万円近く受け取れるから大丈夫かな?と考えるのは少し早いようです。
受給額アップに伴って、所得税・住民税・健康保険料などが、
軒並みアップしてしまいます。
75歳まで受給を我慢しても、手取り額はそこまで増えない可能性が高いようです。
しっかりと計算をしてから、受給開始の時期を考えないといけませんね。
受給開始年齢引き上げになると、いくらの損になる?
とてもショックな数字ですが、ご紹介します。
平均的な賃金で40年間厚生年金に加入した会社員と専業主婦の
夫婦を想定した「標準モデル世帯」では、
2017年度の見込みでは、月額支給額は22万1279円です。
この家庭が70歳からの受給開始となった場合は、
単純計算で1,327万円の損。
75歳からの受給開始ならば 2,655万円が貰えなくなります。
そんな・・・。
1千万円以上の年金が、制度変更で貰えなくなるなんて唖然としてしまいます。
よく雑誌などに、「老後までに3,000円万円は用意しましょう!」と
書いてありますが、もはやその金額では足りなくなってしまいますね(泣)
その他の変更予定は?
高齢者の定義が変更になりそうな他に、
雇用保険の対象を65歳以上に拡大することが決まっています。
失業給付が今年1月から受給出来るようになりました。
また、2020年からは65歳以上でも雇用保険料が徴収されるようです。
すっかり65歳以上でも働くことが当然になってくるようです。
現在、介護保険で原因に関係なくサービスを受けることが出来るのは
65歳以上となっています。
その対象年齢も、70歳に引き上げられる可能性があるそうです。
そうなると、対象者になるまでは自費で介護のサービスを
受けることになる人も増えそうですね。
なかなか高齢者になれないのに、その前に資産を使い切ってしまう
「老前破産」になってしまう可能性が出てきました。
余生を愉しむ・・・なんて夢のまた夢になってしまうのでしょうか??
読んで頂いて、ありがとうございます。
今日も貴方にとって、いい日になりますように。